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| home > ビジネス実務法務検定試験®> 会社がすすめるビジネス実務法務検定活用術 | ||
| Last updated: April 06 2012 10:07:37. |

| ― 貴社の業務形態を踏まえた法務部の特徴について、教えてください。 |
| 当社法務部は、東京本社だけで40名弱、他に大阪や海外、出向の者も含めると、55名前後の体制です。法務部としては、かなり大所帯な部類に入るのではないでしょうか。 中心となる業務は、①契約書の審査、②債権の保全・回収、③訴訟管理、④知的財産権管理、⑤コンプライアンス体制の構築、⑥株主総会対策など様々です。 ほかにも、印章管理やM&A、また、我々は法令動向と呼んでいますが、重要法令が制定・改正されると、その内容をまとめたレポートを作成し、全社へ情報発信を行っております。最近では、企業結合規制等の部分で大きな変化のあった独禁法に関して、われわれは特に注意深くチェックしております。 法務部員一人一人の担当の仕方は、商品所管ごとです。つまり、国内と海外、また海外も、欧米とアジアといったように、地域ごとの担当割りを行っておりません。そのため、一人が国内の契約と海外の契約の両方を見ます。 各法務部員一人が担当する範囲は相当に広く、業務に関係する知識は、その仕事をしながら得ていく、いわゆるOJTのスタイルで習得しています。 |
| ― 法務部の人材育成に関してお伺いします。 |
| 当社は、“純粋培養型”で、法務一筋という部員が圧倒的に多いです。本当は、何年か、たとえば営業などを経験し、業務を多角的な視点から捉えられるようにすることが理想なのですが、実際はこのようなローテーションは行っておりません。 法務部員は専門性が求められますから、一人一人の法務部員を“財産”と捉え、3〜5年法務部を経験すると、米国や中国に留学させ、知識やスキルを習得する方が有益と考えるからです。 |
| ― 法務部以外の方から、法務に関する様々な質問が寄せられると思いますが、何か研修のようなものは行っていらっしゃいますか。 |
| 現在、法務部としては年間1,000件近くの契約書を審査しております。ですが、それでもすべての契約書を法務部がチェックしているわけではありません。 それ以外は各部署の担当者が、法務部が作成した契約書のひな形を参考にしながら作っております。 当社法務部といたしましても、リーガルリスクを最小化するために、事業会社やグループ会社で法務の仕事に関わる職員には、契約書のチェックやCSR、コンプライアンス等について講習を行っています。この研修は、今年で4年目になります。 |
| ― 池辺様は、法務の仕事に従事されてから、キャリアを長く積まれていると思いますが、ここ最近で法律のあり方に変化など感じられますか。 |
| やはり、2000年以降の小泉改革あたりから、企業に対する法律のあり方は大きく様変わりしたと思います。 具体的に申しますと、企業が行うべきでない行為をあらかじめ規定する“事前規制型”から、法の枠組み自体は緩やかに構える一方、その趣旨に反する行為を行えば罰則を課す“事後規制型”に、法のあり方はシフトしていると感じます。 そのため、行政指導があった時代に比べ、経営のあり方も確実に変化しています。その代表が内部統制ですが、これは法務にも多大なインパクトを及ぼしました。まず、法務で把握しなければならない事柄が増えました。さらに、企業結合規制の捉え方の変化により、グループ全体でガバナンスを働かせなくてはならなくなりました。 もともとは、親会社は子会社をコントロールしない方がいい、双方がいわゆるパートナーシップ経営をモデルとして目指していましたが、今はまったくの逆です。現在は、連結経営が基本単位であり、子会社の不祥事は親会社に及ぶため、子会社まで内部統制を機能させなくてはなりません。端的に言えば、子会社の訴訟等についても、四半期に一度のペースで子会社から報告書を受け、親会社が把握する。10年前に比べ、法務部の仕事は倍増しております。 |
| ― 御社のビジネス実務法務検定(以下ビジ法検定)の取組みについて、教えてください。 |
| 当社は、社全体としてはビジ法検定に対する特定の取り組みは行っておりません。 ですが、ビジ法検定は業務に関連する法律が網羅されており、コンプライアンス等についても相当ボリュームが割かれています。 そのため、ビジ法検定の領域の広さは、商社の実像を適格に捉え、当社の法務部員、もしくはそれ以外の所属の従業員それぞれの法律知識のベースアップを図れると感じます。 当社のグループ会社や事業会社を見ると、各企業が個別に法務セクションを持っているケースは、そう多くありません。ある担当者が、人事や総務を兼ねながら、法律的な問題に取り組んでいる事はよくあります。そのような職員が、ビジ法検定の受験を通じて、法律の素養を身につけてもらえるのは、われわれにとって非常にありがたいです。 また、当社の法務部としても、ビジ法検定の受験を通じ、何が問題の争点かを見極められる力が高まります。たとえその法律そのものの知識がなかったとしても、リスクを見つけ出せる目を養うことが、法務部員にとって非常に大切ですから。ビジ法検定がスタートした時点で、当社の法務部員はこの試験に着目し、一気に一級まで取得した者も4、5人おります。 |
| ― 今後、ビジ法検定に対する要望はありますか |
| やはり、級ごとで難易度に幅があることでしょうか。企業法務に何年か従事していれば、1級も合格するかもしれませんが、事例式という問題形式もあり、実務を経験しなければ理解できない事柄もあると思います。 準一級という制度が、それを補っているのかもしれませんが、テキストで学べる理論と、実務でなければ経験できない部分を橋渡ししてくれるような、補助的な教材なり、研修があれば望ましいですね。 |
| ― ありがとうございました。(2月19日丸紅株式会社にて) |
| 記事提供、中央経済社『ビジネス法務』(2010年6月号) http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/ |